『和製ファンタジーにおける「魔法」の設定について』

≪あらすじ≫

 和製ファンタジー(日本人の作り出すファンタジー世界)において必ずといっていいほど登場する“魔法使い”。しかし、彼ら/彼女らはいったいどのような手段をもちいて超自然的なパワーを炸裂させるのでしょう?
 このテキストは、あやふやなまま描写される“魔法”や“魔法使い”をもう一度考えなおし、書き手の設定づくり(および理論武装)に貢献してみることが目的です。筆者の独断と偏見が過分に含まれますので、「ここは違うのではないか」というご意見のある方はお気軽にご連絡ください。

序論

1.魔術、魔法そして魔道の表記

2.魔術の職能性と、「魔術ギルド」の可能性、そして魔術師

3.魔法の体系性と、「魔法学校」の有意義性、そして道徳面に残された課題

4.魔道の道義性と「師弟関係」の可能性、そして道徳面の補完

5.「魔術」、「魔法」そして「魔道」の「魔法学校」における理想的なあり方

6.「魔導」の教育性と立ちはだかる問題

第一講:魔法概論

1.1.「○○(国名)は魔法大国です」という記述の、設定上の危険性

1.2.1.「魔法」の創始者を決定する。

1.2.2.テレポーテーションの理論

1.2.3.「見えざる神」の理論体系

1.2.4.「意識の拡張」

1.3.魔力保有者の多寡

1.4.1.各人が保有する魔力の多寡

1.4.2.マイナーな作品はメジャーになれないことの科学的証明

1.4.3.魔法学校のカリキュラムはどのように設定されるべきか?

第二講:呪文(口唱)

2.1.1.魔法専用の口唱呪文を設定すべき、三つの理由

2.1.2.口唱呪文の言語は、複雑でなくてはならない

第三講:呪文(文様)原論、および封印

3.1.1.魔法言語を「口唱」と「文様(記述)」に分割する理由

3.1.2.認識の問題をどのようにして扱ってゆくべきか。「普遍魔術」と「専門魔術」

3.2.1.「魔術質」について。おもに材質と色

3.2.2.「魔術媒」について。および質媒から派生する各種の魔術

3.2.3.「質媒検索」の可能性

3.3.1. 「封印」における「質媒検索」の威力

3.3.2.「封印」と「結界」は原理が同じであること

3.3.3.封印を無力化する手法:「二重封印」について

3.4.口唱呪文において、質と媒は定義されるべきなのか

第四講:魔法陣

4.1.「魔法陣」の二形態

4.2.「幾何法陣」の特徴と弱点

4.3.「配列法陣」の特徴と弱点

4.4.魔法学校における数学の必要性

第五講:魔術としての”刺青”

5.1.「刺青」の基本

5.2.1.「刺青」のモデル的考察

5.2.2.刺青と魔力の関係から鑑みる、大前提の修正案

5.3.刺青術の利点と欠点

第六講:魔術的呪具のあれこれ

6.1.壺

6.2.1.“狭義の”杖について

6.2.2.杖(狭義)の質と媒、そして利点

6.3.仮面

6.4.織布

6.5.呪符(お札)

6.6.魔罠(もしくは瘴気)

第七講:錬成

7.1.錬成と科学

7.2.等価錬成

7.3.付価錬成

7.4.一方向錬成

7.5.一方向錬成の、封印への応用

第八講:本草学

8.1.本草学は何を目的とすべきか?

8.2本草学で学ばれる大雑把な内容

第九講:印

9.1.印の定義と特徴

9.2.具体的な“印”のあり方

第一講から第九講までのまとめ

各講のまとめと課題

第十講:知覚問題

10.1.知覚問題①「発話」と「記述」との差異についての検討

10.2.知覚問題②魔術仕掛けの神

10.3.仮説①魔術生命体説

10.4.仮説②多元宇宙説

10.5.仮説③現象学的魔術説

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