以上のことが分かった段階で、和製ファンタジーに登場する「魔法使い」はどのような行動様式に従うのか、整理してみましょう。
ある人物Aが「超自然的なパワーを使いこなしたい」と思ったとします。Aはまず「魔法学校」に通うことを選択するでしょう。そこでは「超自然的なパワーを体系的に学ぶ」ことができるからです。そしてその「超自然的なパワー」は、分野ごとの区分(次回以降で検討します)に従って「魔術」と呼ばれます。つまり、Aは「魔法学校という機関において、超自然的なパワーを使いこなす技術(魔術)を、体系的に学ぶ」ことになるのです。
しかし、魔法学校でAが学ぶことはこれだけではありません。「超自然的なパワー」は強大ですから、きちんとしたルールを学ばなくてはいけません。しかも、ただ学ぶだけではなく、その学んだルールをきちんと守る、コンプライアンス意識の高い人物として行動に目覚めなければなりません。そのため、魔法学校の科目には、徳や規範を養うための「超自然的パワーを通じた道徳的授業(魔道)」が実施される、ということになるのではないでしょうか。