1.4.3.魔法学校のカリキュラムはどのように設定されるべきか?

 悪ふざけはこのくらいにして、本題へ戻りましょう。今までに考えたとおり、各個人によって持っている魔力がまちまちだとします。

 実は現実の世界でも前述の「スケールフリー」の理屈が通っています。つまり、「ある個人は、他の誰一人として持ちえない、ずば抜けた魔力を持つことがありうる」ということが示唆されるのです。

 これといった理屈をでっち上げなくとも、チート能力を持つ魔術師を作り出せます。なので一部の人には朗報かもしれませんが、世界のパワーバランスを一気に崩してしまう可能性があることも注意しなくてはなりません。

 加えて、魔法学校のカリキュラムにも大幅な変更が加えられます。

 「魔術」は単なる知識ではなく、場合によっては周囲に重大な影響を与えかねない「技術」でもあります。チート能力を持つ魔術師が、中二病に罹患して、しょうもない理由から世界を滅ぼしてしまう可能性も十分にあり得るのです。

 そんなことを阻止するためにも、魔法学校には二種類のカリキュラムが存在していなくてはなりません。一つ目は「平凡な魔力の持ち主にそれなりの魔術を授けること」であり、もう一つは「チート的な量の魔力の保有者が破滅の道へ進まないよう、なるべくストッパーがかかるような魔術だけを教える」というものです。

 こうした二種類の設定を押さえておけば、「天才的な魔術の才能を有した主人公が、カリキュラムを守らなかったせいで(魔力を矯正するカリキュラム)、罰として地球へ追放される」といったような設定を簡単に設計することができます。

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