引き続き、
「魔力を所有しているのは人間」
という大前提のもと、考察を進めていきます。さらに、
「魔力は、ファンタジー世界の一部の人口のみが所有している」
ということも前提に付け加えたいと思います(多くの和製ファンタジーが、この二つの条件を満たしていると考えるため)。
さて、次に考えるべき問題は、各人が有する魔力の「量」の問題です。より具体的な質問としては、
「同じ『魔力を持っている人間』といっても、全員が等しい量の魔力を持っているのか? それとも個体差は生じるのか?」
といった問題のことです。
ちなみに、ここで取り上げる「魔力の量」とは、いわゆる「マジックポイント(MP)」のようなものではなく、もっと広く「巨大な魔力を消費するような魔術を駆使できる才能」と捉えてください。
さて、上記の質問に対する答えですが、これは率直に言ってしまえば作者の好みに合わせればよいのではないかと考えます。
しかし、「全員が等しい量の魔力を持っている」ような和製ファンタジーは、やはり決定的な魅力に欠けてしまうと思います。我々の住む現実世界を考えてみても、才能というものは著しく不平等に配分されることが多いですし、「魔力の量」に個体差が生じた方が「天才的な魔術師」や「魔法学校の落ちこぼれ」といったキャラクター設定を作り出すのも容易ではないかと思います。